「ダメだよ。俺、瑠美の責任はとらないって言ってんだよ??」
「責任なんてとらなくていい!!」
瑠美の肩を掴み身体を離すと、そこには顔をグシャグシャにした瑠美がいた。
大好きだった、大切だった瑠美が、壊れそうに泣いていた。
「・・・よく『海に瑠美とサヤ子が溺れてたら、どっちを助けるか??』って質問あるじゃん」
「・・・」
「俺、迷わず瑠美を助けるよ」
瑠美が俺の目を見て、大粒の涙を零した。
「俺は瑠美を助けて、サヤ子と死ぬ」
俺は瑠美を見殺しになんかしない。どうか、瑠美に俺の誠意が伝わって。
「・・・・・・何それ」
瑠美がその場に崩れ落ちた。
「俺、サヤ子とだったら死でもいい。でも、瑠美とは死ねない。瑠美には幸せに生きていてほしいと願うから」
「・・・例えが重いよ」
瑠美が泣きながら呆れた様に少し笑った。