やっぱり、好きだ。

 

 「翔太、これ。渡しといてって」

 振り向くと、森田が眉間に皺を寄せながら俺に向かってノートを突き出した。

 見覚えのあるノート。サヤ子のノート。

 「・・・これ、どこで??」

 嫌な予感が頭を巡る。サヤ子、まさか今の話・・・。

 「そこで。」

 森田が親指で部室のドアを指さした。

 嫌な予感的中。 きっとサヤ子は俺たちの話を聞いてしまったのだろう。

 恐らくまだ近くにいるだろう。

 ノートを握りしめて部室を飛び出した。

  怒ってるよな。泣いてるかも。サヤ子、どこ??