冷たい雰囲気が漂うそらくんだけど、今だけはあの頃の柚くんと重なって見える。


気が付けば、私の筆は完全に動きを止めていた。


「それ……文化祭のポスター?」


集中している時に声掛けたらまた機嫌損ねちゃうかな……と、少し恐る恐る聞いてみる。

そらくんは手を休めず、けれどゆっくり口を開いて答えてくれた。


「いや……これは趣味」


趣味……かぁ。

なんかそらくんって、私の周りにいないタイプの人だな。

桜太くんとかと比べると、雰囲気も落ち着いてて大人っぽいし、なんだか違う世界の人みたい。


「そらくんって、ちょっと変わってるね」


クスッと笑ってそう言うと、彼は「は?」と言って顔を上げ、怪訝そうな表情を見せる。

うわぁ、怖い。


「あ、いや、変な意味じゃなく! なんか珍しいっていうか、他の男子とは一風変わってるというか……」

「何もフォローになってないけど?」

「ええええぇと……!」