サラサラの焦げ茶色の髪に、切れ長で大きな瞳

着崩さない制服

清潔感があって、はかなくも凛々しい雰囲気……

どことなくだけど、懐かしい面影を感じられる。


──やっぱり似てる。

ずっとずっと、逢いたくて仕方なかった、大好きなあの彼に。


息苦しくなるくらい、胸の鼓動が激しさを増していく。

まさか──あの人は、本当に柚くん?


でも……やっぱり信じられない。

だって、同じ高校に通っていて気付かなかったなんてことはないはずだもん。

まぁ、あの人の存在は知らなかったわけだけど……。


万が一柚くんだとしたら、今すぐ飛び付きたいくらいだ。

でも、じゃあどうして今まで見つけ出せなかったんだろうって、絶対自分を許せなくなる。

だから、心の奥では他人の空似であってほしいと願ってしまう。


逢いたい

だけど、他人であってほしい──


そんな矛盾する気持ちが、ぐるぐると私の中を渦巻いたままで……

今日の授業はまったく頭に入らなかった。