でも一番いやだったのは帰宅の時間がちょうど朝のラッシュ時とぶつかることだった。

ここはベッドタウンで、朝この駅で降りる人は極めて少ない。

そうでなくても夜勤明けの格好はお世辞にもきれいとは言い難かったし、

みんな身支度して仕事場へ向かっていく流れとは逆に、自分だけちょっと汚れた格好で家路を急ぐのは、まるで仲間外れになっているようでちょっと恥ずかしかった。



でも今は違う。ささやかな朝の楽しみが僕にはあった。