「委員長ー!」

私は浅川棗。
2年B組の委員長を務めている。
ゆえに、委員長とかあっさんとか呼ばれている。

「なに?」
「次なんの授業?」
「現文だよ。時間割みろ!毎時間聞くな!」
「そんな怒んなよー!」

隣の席の中野。
世に言う、爽やか系男子。
成績もいいモテる奴。
なぜだか仲良くなった(正しくは絡まれてる)。

「こるぁ!今は数学だ!お前ら2人いっつもうるせぇぞ!!」

数学担当兼担任の鳥谷は私たちに怒鳴る。

「すみません」

私は正直悪くない。
でも相手は先生、とりあえず大人しく謝る。
対して中野はテヘペロとかいってクラスの笑いを取っていた。
何こいつ腹立つ!!!







放課後、私は友達の美季と帰っていた。

「ところで棗は中野君のこと、どう思ってるの?」

女子って話の転換が恐ろしいよね。
今まで焼肉の話をしてたのに"ところで"によって、焼肉もどっかにいってしまった。

「とくになんとも?」
「つまんないのー、お似合いなのに」

口を尖らせる美季。
相手は中野。
ただ私が面白くてからかってるに違いない。
あの中野ならプロフィールのマイブームに「委員長」って書きそう。

「じゃあ、モテたいとか思わないの?」
「いや、あんまり…不特定多数からモテても困るし。」
「棗堅いよ!昭和じゃないんだよ!!」

時代遅れってことですか美季さん。
美季はスカートを折ってリボンを下ろし化粧もしている。
対する私はスカートは折らず、リボンは首締まるんじゃないの?(美季談)ってくらい締め、お肌は洗顔と化粧水くらい。
周りから見れば、なんでこの2人仲良いの?っていうツーショット。

「よーし棗!今度、原宿行こうよ!!」
「え!?でも私、東京苦手…」
「でもいく!!日曜日ね!!」

いくら何でも強引じゃありませんか美季さん。
美季はじゃあメールするね!と言うと自分の駅で降りて行った。
東京は人が多くて苦手なんだ。
ところで原宿って何?
東京のどの辺?