そして、慌てて立ち上がり、舞い上がってパニクる私はまたしても余計な事を口走る。 「やだ、直……誰かと、間違ってない?」 もしも、ゆりちゃんを思い出しているのなら…そんな想いがよぎったから。 義人と抱き合いながら直を思い出していたズルイ私を知っているから。 でも、瞬時に不機嫌に歪められる直の表情に、とんでもない失言だったことを思い知る。 一瞬哀しさに染まったような瞳を逸らし、溜息と共に吐き出される言葉。 「なんだよ、お前……ほんと、ムリ。」 濡れた前髪をクシャっと握って俯いたままの直。