時間が止まったかのように動けない私。 唇を見つめたままの直。 シトシトと降り続く雨の中、相変わらず私の唇を見つめたままの直の顔が、ゆっくり近づいてくる。 うそ、キス…される…? そう思ったら緊張感に耐え切れなくなって、直の胸元をぐっと押してしまう。 「直っ、あのっ…」 思いのほか大きくなった声に、直の驚いたような目と視線が合う。 「あ…ごめん。」 慌てて離されるその指先を名残惜しいと思いながらも、これ以上鼓動が早くなったら死んでしまいそうだったから、少しホッとする。