「きゃ…。」

バサバサバサっ…ドカっ!!

「…痛い…。」

半泣きの女の子、2年前の私である。

私は1人、先生に頼まれ
図書室に新着の本を運んでいた。
図書室の戸を開ける際、コケてしまった。
小5に任せるには多すぎる。
これは、幼児虐待じゃないのか?
頭に残る衝撃は、
絶対カドだと確信しながら、
本を拾い集める。

「桜田光流…さん?」

新着本の中には、
今人気のケータイ小説作家で
私も大ファンの、
桜田光流の本があった。
普通、学校の図書館には
滅多にケータイ小説が
入らないので、興味津々。

図書室の前で、読みふけっていた。
仕事を忘れ、時間さえも忘れて。