その日の就業時間後。 あたしは相変わらず残業モードだ。 社員がぞろぞろと帰宅していく中、あたしはまだやらなきゃいけないことがある。 「園田さん、あたし調理部に届けなきゃいけないものがあるから、これ終わったら先に帰っててね」 「あ…!私も何かお手伝いします!」 「いいよ、大丈夫!ありがとう」 今日ずっと一緒に仕事をしていた園田さんは気を遣ってくれたけれど、あたしは笑顔でそれを制した。 その気持ちだけで嬉しい。 こういう気遣いが出来るところも、園田さんをますます好印象にさせる。