「俺が雅の気持ちをもっとちゃんと考えてやってればよかったんだよな。
そうしてるつもりだったが…まだまだ至らなかったらしい」



嘲笑する拓海さんを見るとなんだか胸がチクンと痛んで、あたしは俯いて静かに首を横に振った。



「…許してくれるか?」



今まで一度も聞いたことのないような言葉をかけられ、あたしは拓海さんを振り仰ぐ。


気付いたらもうアパートの駐車場に着いていて、拓海さんは少し眉を下げて愁いを帯びた瞳であたしを覗き込んでいた。



そんな表情すらもやけに色気があって、だけど少し可愛らしくもあって。


あたしは胸の高鳴りを抑えながら口を開いた。