『仕事があるから行くわ。傘、ありがとう。』

自分の傘と僕の傘を猫達の入ったダンボールにかぶせてからそう言うと、君は僕に背を向けてヒールの音を鳴らした。

去っていく君は、儚げで、美しくて。

でもどこか寂しげで…

こんな人と一緒に笑うことができたら…

そう思うと胸が高鳴った。



君の寂しさの理由を知りたい。


君の側にいたい。


そう思った。