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どのくらい、愛し合ったのだろう

あなたの隣で目を覚ますと、もう空は明るみ始めていた。


あなたの腕の中で過ごした時間は、きっと一生のなかで1番幸せな時間だった。


できることなら、このままあなたの側にいたい。



でも、別れた男の借金を返すために売られた女では、あなたの側にはいられない。


【好き】だったのかどうかはわからない。

でも、あなたは太陽みたいに暖かくて、眩しかった。



またいつか、あなたに逢いたい。

そんな願いをあなたへのキスに変えた。



私はベッドの下に散らばっている服を身につけ寝室から出ると、擦り寄ってきたアンジュを撫でてからドアを開けた。


少し肌寒い朝の空気に、一筋の涙が頬を伝った。