あぁ、やっぱり私はこのまま見捨てられてしまうのだろうか。 長い針はもう後少しで短い針と重なる。 もう、何もかも絶望的だった。 その時だった。 暗く静かな病院に、足音が聞こえる。 私は直ぐにドアへと駆け寄った。 「うそ……じ、んッ…」 安心感からなのか、足の力が一気に抜ける。 「………っと。」 仁のお陰で、痛みを感じる事は無かった。 仁のそのガッシリとした腕でしっかりと私を受け止めてくれたから。