「銀くぅん!何処行くのおお?」 「銀………?」 全速力で走り抜ける私を不思議そうな表情で見る翔とリオがまだ校庭でビラ配りをしていた。 「………ッ」 私は唇を噛み締め、横をサァッと通り過ぎた。 今、振り返ってはダメ。 きっと、少しゴツゴツした大きな腕にすがり付いてしまう。 あっという間に、私は校庭を出ていた。