レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

ビックリして順二を見ると、いつものおちゃらけた雰囲気がまるでない。

いつにない真剣な表情にどもってしまった。


「あ、えと、いや、な、なにも」


順二が手を伸ばしてきたかと思うと、ほっぺたをぷにっとつねられる。


「いたっ」


「……嘘だね」


「…なにがっ」


「何か、あるわ」


「何もないし!てか、手離して」


そう言うと、順二はゆっくりと手を離した。
私は然程痛くもないほっぺたを押さえる。


「いや、何かずっと今日ぼーっとしてるし、話しかけても上の空だし」


…え、これは。もしかして。


「順二、心配してくれてる?」


「ば、ばかっ、そーゆうんじゃねえよ!」


顔を真っ赤にしながら順二は否定した。


「お前がなんか、おかしーから俺まで調子狂うんだよ!」


「何で、私がおかしーと順二の調子が狂うのさ」


「はっ?お、俺はっ」


……いつになく慌てて、顔を真っ赤にしてる順二の方がおかしーと思うんだけどなあ。