今日は社長がいる。


「佐々木、か。どうだ、あいつらは」


“あいつら”とは、Sランクの彼等の事。


「普通です、変わった事はないです」

いつもの様に報告すると、社長は口角だけ上げて頷く。

僕は元々こんなとこ入ろうとしたわけではない。
割りのいいバイトを探してて、面接に来たが最後。


そこからずっと、ここのレンタル彼氏の世話係をしている。

他にも世話係はいるが、僕はなぜか最高クラスのSランクの世話係だ。
待遇はそれなりにいい。
部屋もSランクよりは劣るけど、独り暮らしにしてはまあまあ広いとこを寮にしてもらえている。


Sランクで顔がかっこいい、モデル体型。
芸能界にいる様な容姿。

……だけど、過去がある。



そんな彼達。


その世話係の、なんてことない、本当になんの変哲もない僕。