何、食ったらこんな軽くなんだ?
俺とあまり身長変わんねえのに。


エレベーターに乗り込むと、部屋の階のボタンを押す。

そういや、伊織が酔っ払うの珍しいな。
あまり他人に見せないからな。

聖はしょっちゅう酔っ払ってるけど。


到着して、一番に伊織の部屋へ向かった。

伊織のポケットから鍵を探る。
それを差し込み、回す。

中に入ると、生活感のない部屋が目に飛び込んできた。

入ったの初めてではないけど、回数は少ない。
同様、俺の部屋にも。

寮だからって、レンタル彼氏同士の馴れ合いはない。


とりあえず、何か着せるもん。
適当に漁って、衣類を探すと俺は着替えをさせた。

…………って、ご丁寧に俺面倒見過ぎじゃね?


馬鹿らしくなった俺は、着替えさせた伊織をベッドに放り投げた。


その衝撃で、伊織が呻く。

「ん…………佐々木?」


「ちげえけど」


「………………車」


「は?」


「佐々木、ホテルに車」


…………持ってこいと?