レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

その後のやり取りを、俺はまたただ黙って見つめた。
和が伊織に対して否定的な意見をすると、泉は庇うように発言する。


無意識、なのかもしれない。
と、言うことはさ。

「…そいつのこと、そんな好きなの?」

口から出た言葉は、ずっとずっとずっと。
思っていたこと。

だって、出会って本当少しなのに。

なりふり構わず行動して。
真っ赤な目を見せながらも笑ったほど、泣き顔を隠していたのに。


ぼろぼろと泣きながら伊織について話す泉が、あの時以上に弱く、守りたいと思えたから。


泉は歯を食い縛ると、首を縦に動かした。
目には涙が溜まっている。


………何で、こんななるまで好き、なわけ?


「でもさ、そんな仕事してたってことは金が欲しかったんだろ?
信用出来るかわかんねえじゃん」


それに和も賛同するけど、泉は首を横に振って否定した。


伊織はお金なんかいらないと言った泉に鋭く返すと、泉は息を飲んで口を閉じた。

それから。