レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

母親がいなくなった後、また沈黙が訪れる。


俺は黙ったまま、部屋を見回した。

女の子の、部屋だな。
うちと大違い。
ピンクも多いし。

……彼氏の写真は、なさげだな。

つい、チェックしてる俺が虚しい。

体勢を崩して俺は溜め息をついた。


「…………どこ、行ったんだろうな」

俺の問いに和は少し黙ってから。


「………男のとこでしょ」

あっさりとそう言った。


………ぐさっと来たけど。
それ。

「……伊織か」


「は?名前まで知ってんの?」


「…昨日、泉が言ってた」


「何で?」


「告白したら、伊織が好きだから無理ですと」


「………それ、まじ惚れだね」


また、ぐさっと来た。
この子、遠慮を知らないのかね。

「………順二さ」


「……何さ」



もう、何でも聞いて。
やけくそだ。答えるよ?


「………泉のどこが好きなの?」




………………そう、来たか。