レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

と、思ってたらパタパタと母親が走って戻って来る。
それから申し訳なさそうに。

「………泉、部屋にいないのよ」


そう、言った。

「「え?」」


俺と和の声が見事にだぶる。

「でも、このまま帰ってもらうのもなんだし…。
コンビニでも行ったのかしら…本当、学校休んだくせに。
よかったら上がって待ってて?」


泉の母親が俺と和を中に入るように促した。
俺と和は一度顔を見合せた後、中へ入ることにした。

「お邪魔しまあーす」


「お邪魔します」


行儀よく挨拶しながら、俺と和は泉の部屋へと足を進めた。
初めて入る、泉の部屋。


緊張する。


俺と和が中に入ると、母親は何が持ってくるわね、とリビングへと向かった。

和と俺はとりあえず、泉の部屋のカーペットの上に座った。


「…………」


和も、まさかいないだなんて考えてもなかったみたいで、考え込んでいる。
暫く、沈黙が流れてから、そこに母親がお菓子と飲み物を運んで来てくれた。


「よかったらどうぞ」

そう、泉と同じ顔で笑いながら。