レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

………急に、何?
ドキドキと、心臓が変な音を立てる。

「送ってくれてありがとう」


「ば、ちげーから」


「いや、何が違うんだし」


「あーもう、いいから、早く帰れって」


バカだ、俺。
帰れだなんて。

帰るよって言いながら泉は自転車を駐輪場に止めた。
それから、マンションに入ろうとする。


言わないと。
言わないと。


和と約束したからじゃない。
もう、友達は卒業したいんだろ?


ぐっと強く拳を作る。


「泉っ!」


後ろ姿の泉に叫んだ。
泉はぴたりと立ち止まると踵を返した。

「どーしたのー?」


好き?
付き合ってくれ?
…………付き合う?


彼氏、いるじゃねえか。


「あのさ!
泉…その彼氏のこと好き、なの?」


………何聞いてんの、俺。


「え?」

強ばった泉の顔。

なあ。
好き、なんだろ?

ちげえの?


なら、それならさ。