レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

泉は我に返ると、帰ろっ!そう言って自転車の鍵を取り出した。
その自転車に乗り込む泉を俺は止める。

「もう暗いし、送るよ」


「え?大丈夫だよ。自転車あるし」


…まじ、鈍感。

「バーカ、いいから送られておけよ」


「はあ?よくわかんないんだけど」


「いいからいいから」

少し不貞腐れたような顔をして考えこんだ後、ふぅと息を吐き出して。

「まあ、いっか」

そうやって言った。


よかった!
そんな思いから、サイコーの笑顔を見せてたと思う。
それからはとにかく、会話を続けることに必死だった。

会話を切ったら言うしかなくなる。

いや、言うんだけど。
言うけどもだね?


そうこうしてる内に泉の家にあっという間に到着してしまう。


や、やべ。
ついに言う時間到来?


緊張からつい、憎まれ口を叩いてしまう。
それに泉が反論しながら、舌を出した。



うわ、何だその顔。
反則、可愛い。


そう、思ってたら急に真顔になった泉が俺を真っ直ぐに見た。



「順二、ありがとう」