レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

色々な気持ちが交錯する。

複雑な気持ちのまま、やっぱり俺は何も言えないままカラオケに到着した。


カラオケに到着して、部屋に入って五分と経たずに和が来た。
和は白々しく、先生に捕まりそうで~とか言っている。

ぜってぇ、嘘。
てか、五分でカラオケまでつかねえから。
後ろから見てやがったな。

そんなことをまーったく疑わない泉が、リクエスト通りの西野カナを歌う。
熱唱する泉を見てると、和が俺をつつく。


「…………」


何も言わずに目で訴えてくる和。

わかってる、わかってる。
言いたいことも、聞きたいことも。

でも、この泉の普通な感じ………わかってんだろ…?


無言で俺も首を振る。
その瞬間。

「ぃでえっっ」


和が思い切り俺の足を踏んづけた。
泉はハテナマークを浮かべながら俺を見ている。

「な、何でも」

慌てて引きつった笑いを見せると、泉はまた歌に熱中する。


「………………」


横目で和を見ると、和はデンモクで曲を選んでいた。