レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

「泉さ、今日西野カナの、あれ!歌えよ!」


「あれ?何?」


「え~と、タイトルわからない」


「じゃあ、歌えないじゃん」


「まあ、とにかく今日、お前は西野カナメドレー」


「え!?私、いきものがかり歌う予定だったのに!」


「却下だ、却下」


「あ、じゃあ順二は嵐以外ダメだからね」


「しゃあねえな、俺の歌聞けるの貴重だからな」


「あはは、順二まじうまいからな~」


…普通に話せてる。
うん、ドキドキもどうにかおさまった。

「てか、和遅くない?」


「…ああ」


うん、遅いよね。
きっと。

「まあ、着いても来なかったらカラオケ先入ってようぜ?」


「そうだね!」


多分、和は気を利かせてるんだと思う。
腹括らないとな、まじで。


そう、思うのに言葉は出ない。
もし、言ったらもう、こんな風に話せないかも…しれない。



泉の、一番仲良しの“男友達”っていう位置さえ。



それを壊す為に和に頼んだくせに…な。

隣で俺が好きだってことを全く疑う様子もなく、ただけらけら笑う泉。

そんな、君が愛しい。