レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

それがまた、ムカつく。

こっちはさっきから、怒ったり、イライラしたり、泣きそうだったり。
散々なのに。



だけど。

好きなんだよな。



三人で靴に履き替えて、校門まで歩いた時。

「あっ、忘れ物!ごめん、先歩いてて」

和が急にそう言って、また下駄箱まで走って行った。


残された俺と泉は、向かうかと二人で歩きだした。


………………今?
まさか、今言えって?

おい、なんか、まだ無理、じゃ…ね?



う、急に心臓がバクバクしてきた。

「和、忘れ物とかおっちょこちょい!明日でいーのにねえ」

多分、和忘れ物なんかしてねえよ。
と、言えませんが。

「よっし」


何がよしなのか、本当わからないけど、泉は自転車を押すとそう言った。

俺と泉の間に自転車。
……………邪魔なんですけど?


無言でハンドルを取ると、自分の隣に泉を促した。

「順二、優しーじゃん」


「ばっか、俺はいつも優しいの」



………お前にだけ、な。
からかうように泉が笑う。

思わず、目を細める。