レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

泉の顔が今まで見たことないぐらい、綺麗だったから。

夕日のせいだけじゃない。
紅潮させた頬で微笑んでいたから。


それから先は動揺してたせいで、あまり記憶にない。
笑って別れを告げられたか、不安だったけど…。


翌日、泉は更にどす黒いオーラを放って机に突っ伏していた。
声をかけたくても、かけちゃいけない雰囲気。


こんな状態の泉に話し掛けられんのは和ぐらいだ。
昨日、彼氏と喧嘩でもしたのかな…。

泉は体調が悪いのか、保健室に行くと和を置いて教室を出て行った。


そんな泉が、一限目の途中。
急に教室に入って来たと思ったら、そのまま早退をした。


あれは誰が見ても、元気な状態だったけど。

事情があるのか、わからない俺はただここでやきもきするだけ。
今、話をしてくれたって。

それは、“良き友達”として。




………片思いなんて。
丸切りいいことがねえ。



触れることすら憚れる距離なんて、もうまっぴらごめんだ。


泉に………。



告白してやる。


そう、思った俺は親友の和に休み時間声をかけた。