俺と泉の出会いは中学校。
一学年、600人近くいるマンモス校。
その、同じクラスの隣の席だったのが、泉だった。

そんな、嘘みたいな奇跡の出会い。


「名前は?」

初めての教室が珍しいのかなんなのか、周りをキョロキョロしてる泉に、声をかけたのが俺。

「えっ」

話かけられるなんて思ってもなかったのか、びくっとしながら俺を見る。

「……名前聞いてんだけど」


「…あ、泉。浜田泉」


「俺、順二だからよろしく」


「よろしくねっ」

最初は何てことなかった。
ただのクラスメイトぐらいにしか思っていなかった。

話も、隣の席だからするってぐらいだったし。


きっかけは、そう。


川田先輩。


泉が、川田先輩を好きってことがわかった時だった。

卒業式。
川田先輩を呼び出した泉を、俺は見つけた。

思わず、隠れて様子を見守っていたんだけど…。
一向に川田先輩が現れない。


………本当にちゃんと呼び出したのか?