「はいはーい」


明るい声を出した私に、伊織は対照的な声で返事をする。


「………美佳?」


泣きそうな、その声に…何か、あったんだと直ぐに察知をした。



ねえ、伊織。

わかってたのかな。


あの日。
私に電話をかけたってことはだよ?


伊織は私を、心から信用してたってことだよね?


もう、伊織。
苦しまなくていい。



人を信じてもいいんだよ。

だって、もう私を信用してるんだから。


信じることを許していいんだよ。