レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

………まあ、いっか。


何も言わないでおこう。
そう、口を閉ざしたと同時に社長が口を開く。


「美佳」


「は、はい」

口を閉ざそうと思った矢先だったから、声が上ずる。


「最近、調子いいな」


「はあ…、まあ」


「今日は頑張ってる美佳にプレゼントを、と思ってな」


「…プレゼント?」


「ああ」


プレゼントが何かは言わず、社長はまた黙った。

社長は昭和な感じがする頑固オヤジって感じ。
ひげを伸ばして、スマートにスーツを着こなす。

スーツはイタリアとかのオーダーメイドで、ン十万するというのをこないだ聞いた。



レンタル彼女の売上はそれほどなんだろうか。



でも、自分で言うのもなんだけど売れてる私で月何百万と稼ぐんだ。
その社長となれば、持て余すほど金があるだろう。


「新たにな、レンタル彼氏をやろうと思ってな」


唐突に社長が話しだす。
それを私は反芻する。


「レンタル、彼氏…?」