俺は。
見ていた。
店長の部屋に女物の下着や、歯ブラシが二本あったり。
ふと見せる店長と美咲さんの顔が、他のキャストやボーイに見せる顔とどこか違っていたこととか。
見ていた。
わかってた。
店長と美咲さんが、デキてるってこと。
色じゃなく、本気で付き合ってるってこと。
だって、目の前にいる二人の耳に光るお揃いのピアスが全てを物語っている。
“美咲は独占欲強いんだ。
…寂しい人だよ”
いつか、店長が言った言葉が蘇る。
美咲さんは、俺に店長を取られるのがイヤだったんだ。
それを酷く嫌ってた。
俺へのキツい視線も。
そう、考えたら辻褄が合う。
メールも、店長から引き離そうとしてたのかもしれない。
そういえば、店長が誰かに色恋してるのを見た事がない。
出来るわけなかったんだ。
美咲さんがいたから。



