レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

「伊織」


「りさ、ちは」


「ふふっ、ちはって何語?」


「若者は略すんだよ」


「そうなんだ?」


クスクスと笑う横顔にも、品がある。

一度だけ、旦那の話になった時。
りさはとても寂しそうな瞳を見せた。


それを見て以来、何も聞けなくなった。


りさのことを知ってる聖は、いつも羨ましいを連呼する。
あんな人とセックスしたいなんて、馬鹿らしい低俗な聖らしい考え。


俺は彼女としたことはない。


する気になれない、が正しい。


別に、まだまだやりたい盛りだし、好きじゃなくたって愛の言葉を囁くことなんか簡単だけど。



りさは綺麗すぎて、汚い俺が触ったりしちゃいけないと思っていた。




りさに恋愛感情はない。
昔から俺を知ってるから、一緒にいて落ち着ける。



それだけだ。



ヤりたいなら、いくらでも相手はいる。
別にりさでなくていい。