レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

エンジンをかけて、彼女と言う名の客のいる場所へ向かった。


俺に両親はいない。
兄弟もいない。
親戚もいない。
身内と呼べる人がいない。


物心ついた時、周りは敵だらけだった。


この見た目のせいで、女に苦労はしなかった。
だけど、俺が心の底から満たされることはなかった。


セックスしても、愛を感じない。
ただの肉の塊にしか感じない。


それを考えると、果てた後風呂場に直行して嘔吐をしてしまっていた。

薬にも手を出したし、悪いと言われることは一通りやった。


俺を叱ってくれる奴なんかいなかった。

誰も俺を責めなかった。




俺は施設育ちだったから。

俺は産まれてすぐに捨てられたから、両親のことを何も知らなかった。
母親は綺麗だった。


今まで出会った女の中で一番。
でも、そんなんどうでもよかった。




俺が今独りな事実に変わりはないのだから。