レンタル彼氏 Ⅰ【完結】


「…………全部吐き出せたらいいのに」



ソファーに体を投げ出して俺は一人呟いた。



おもむろに整理整頓された部屋を見回す。


色のない部屋。


モノトーンしか買わないから当たり前だけど。




そこへタイミング悪く、携帯が鳴った。


多分、客だろう。
今日は珍しく何もない一日だったのに。
俺は重たい腰を上げて、携帯を取りに寝室へ入った。


昨日、寝る時に携帯をベッド脇に置いてから触ってなかったからだ。



【伊織、これから食事でもどう?】


………



【わかった☆迎え行くね】


それだけ送って、気の乗らないまま部屋を出た。



…おにぎり。
折角買ってきたのに食べなかったわ。



今から食べに行くみたいだからいいけど、食いたかった。
…おかか。



車に乗り込んで俺はおにぎりの存在を思い出して、嘆いた。



さて、行きますか。