レンタル彼氏 Ⅰ【完結】

聖の言った意味がわからなくて、俺は聞き返していた。



「千里に生まれてたら俺、俳優目指してたかも」


「…………」


お前なら、ジャニーズ入れるわ。
そんで、簡単にドラマの仕事とか舞い込むと思うけど…。


それをしないのは、聖に明かせない過去があるからだろう。

そう、考えるのは何を言う俺にもあるからだ。



Sランクの奴らは、少なからず何かしら過去を抱えている。
良くも悪くも、俺らはそれに囚われて生きているんだ。



Sランクには五人しかいない。
話すのは聖ぐらいで、他の奴らとは顔を合わせても一言二言会話をするぐらいだ。
酷けりゃ会話をしないことさえある。


俺には馴れ合いなんかなくてよかった。



聖にだって、俺の過去を話す気なんてないんだ。



「まっ、俺伊織でもよかったけど」


「…なんだ、そのよかったけどってのは」


「ははっ、だって伊織もかっこいいもん」


「………全く」



調子いいわ、聖は。