千尋くん、千尋くん








「はぁ……」




「まぁ、気持ちは分かるけどさ。何もそんなずっと落ち込んでなくても」




実質、一番最初の競技であったアメ食い競争から、今までずっとこんな調子のあたし。




残るは、一之瀬くんが出るというクラスリレーと閉会式だけ。





本当に千尋くんは何にも出てなかったし、一之瀬くんはやっぱりどれだか分からないし……。





「体育大会なんて……」





そう呟いたところで、なぜかヒメちゃんが立ち上がる。




「ど、どしたの?」




「なんか3組のとこ、騒がしくない?」




「え?」





3組って、千尋くんのクラス?