千尋くん、千尋くん









「オレら、バイトしにきたんじゃなくてスケットとして来たんだし。それに、お風呂掃除楽しかったから、それはいらないよ」






そう言った千尋くんは、あたしを見ると「な、」と笑顔を見せる。





それに答えるように思い切り首を縦に振ると、目の前のおばあちゃんがクスリと笑った。






「本当に、いい子達だねぇ」




お金はいらない。





その嬉しそうなおばあちゃんの可愛い笑顔が見るだけで、ここに来て良かったって思えちゃうもん。










「今度は遊びにおいでね。おいしい大福、用意しとくから」








そう言って、おばあちゃんはもう一度優しく微笑んだ。