千尋くん、千尋くん








「でも、あるみはバカだから。知らないうちに見られてたら傷つくでしょ?」




「う、うん……」






確かに、制服のまま掃除して、知らないうちに千尋くんにあたしのパンツを見られてた。




なんてことがあったら、正直恥ずかしすぎて3日は寝込む自信がある。






「だから着てよ、これ」




「千尋くん……」




「あるみが傷つくのは、嫌だし」




……きゅぅん。





もう、そのお言葉だけで胸がいっぱいです。千尋くん。






「おばあちゃんのために頑張るんでしょ」




「うんっ」







顔も知らない一之瀬くんのおかげで、またひとつ優しい千尋くんを知ることができちゃった。