千尋くんの持ってきたビニール傘に、いわゆる相合い傘をして歩く。 いつもはあたしを気にせずスタスタ行ってしまう千尋くんが、今日は傘のおかげかあたしに歩幅を合わせてくれている。 「千尋くん、足長いね」 「あるみ、足短いね」 「………」 そこは事実でも触れないでほしかった。 「あれ……?」 しばらくして、千尋くんが帰り道とは違う方にあたしを引っ張る。