千尋くん、千尋くん







在校生が並べられた椅子に座るなか、新入生が続々と入場してくる。



あ、中学の時の後輩だ!とか、あの子カッコいい!だとか、周りの生徒が騒ぐなかで。



相変わらずぼーっとしているあたし。




運悪くヒメちゃんとは座席が離れてしまい、話し相手もいない。




知らぬ間に開会の言葉が告げられ、新入生の名前が1人ずつ告げられていく。



特にあたしの知っている後輩がいるわけでもなく、淡々と呼ばれていく名前を無意識に聞いては受け流す。





「……えー、続いて1年2組。安倍」



「はい!」



「入野」



「は、はい!」



「飯村」



「はい!」






今年の1年生は元気な子が多いなぁ。なんて、完全に気を抜いていた時。












「─……宇治橋」







───────っえ……?