千尋くん、千尋くん








いきなりデートしようって言われたり。



いきなり瑞穂くんの浮気相手にされちゃったり。



いきなりおんぶされて走ってきちゃったり。






「もう……笑い事じゃないよー」



まだ残っているキャンディを舐めながら瑞穂くんを睨むと……。






「そ? 俺は楽しかったけど」





「っ……!」








妖艶に口角を上げた彼は、そのままあたしの口元にあるキャンディをパクリとくわえた。