「むっ、無理! 無理無理無理!!」 「何回言うんだよ」 「だっ、だってあたし走るの遅いし……!!」 「確かにあるみ、トロそうだもんな」 「……………」 いや、自覚はしてるんだけどね。 なんか自分以外から言われると、結構傷つくな……。 「じゃあ、しょうがねぇな」 「……?」 チラリ。 ミサちゃんがまだこちらに意識を向けていないことを確認した瑞穂くんは、持っていた鞄をギュッとあたしに押しつけた。