千尋くん、千尋くん








「じゃあ、そのドキドキが味わえればオレら男はもう用済みってわけだ」




「そ、そんなことないよ……!」




「そりゃ最初はさ、手繋いでみたり、抱き合ってみたり、キスしてみたり。初めてのことに喜びを感じるかもしれない。でも、最後にエッチしちゃったらさ、もうその先はないわけじゃん?」





うっ……瑞穂くん、もう少し言葉をオブラートに包んでほしいな……。





「いつかドキドキにも飽きて、また違う快楽を求めたくなる」




「飽きる、とは限らないんじゃ……」




「だって、現にそういう人がいるから、この世には浮気とか不倫とかそんなんがあるわけじゃん?」






うぅ……まさしく正論。





というか、これは本当に中学生と高校生のする会話なのだろうか……。




何を言っていいのか分からず、膝の上に置いてる鞄をキュッと握りしめる。