千尋くん、千尋くん








「今までいろんな女と一緒に過ごしてきたけど、オレはその中でオレなりの答えを探してみた」




「答え……?」





「あいつらはさ、ただドキドキしたいだけなんじゃないかって」






施設内の明るいオレンジ色の天井を見上げながら、瑞穂くんは無表情でそう言った。





「あるみは、兄ちゃんといるとドキドキする?」




千尋くんといると…?



そばにいるとドキドキして、距離が近いとドキドキして、千尋くんの笑顔を見るとドキドキして……。





「う、ん」




「じゃあ、それは嬉しいこと?」




「そりゃぁ……嬉しい、よ」





だって、それが恋でしょ?




大好きな人の隣にいて、いろんなことにドキドキして……。