そのおかげで、千尋くんの顔を見上げることができたわけだけど……。 「そ、そうじゃなくってね……」 「?」 「きょ、距離が近すぎて……」 真っ赤な顔で、寝転がったまま見上げた千尋くんに言う。 だ、だって、目が覚めたと思ったら、隣で千尋くんが寝てるし。 千尋くんが起きたと思ったら、いきなりこんな抱き締められちゃうし。 「つまりドキドキしてる、ってこと?」 「うぅ……は、い///」 あたしの顔を見て、クスリ妖艶に微笑んだ千尋くん。