千尋くん、千尋くん







────────────────




「……………」




目を開けた時、自分の今置かれている状況を理解しようと、開いたばかりの目をパチパチさせる。




そこにあるのは、閉じられたまぶた。長いまつげ。綺麗で白い肌。少し開けられたままの薄い唇。







あれ……? これ、千尋くん?








「っ……!?」






状況を把握したところで、慌てて起き上がる。





自分が今いるのは、青いシーツがかけられた千尋くんのベッドで、隣にいるのは静かに寝息をたてている千尋くん。





よく、覚えてはいないのだけれど……どうやらあたしは、千尋くんの部屋で寝てしまっていたらしい。