「暑い?」 「……え?」 「顔、紅いから」 ほんのわずかな距離から、あたしを見ている千尋くん。 その手の指先が、そっとあたしのほっぺたに触れた。 「っ、千尋くん手冷たい……」 「オレ、体温低いんだよね」 ひんやりとした千尋くんの体温が、指先からじんわり伝わる。 冷たい。 冷たいけど、安心できて心地いい。 「……大好き、千尋くん」 気づいたら、そんなことを呟いていた。