千尋くん、千尋くん








───翌日。





「あ、れ?」




朝、学校に着くと見覚えのある後ろ姿。



慌てて駆け寄るあたし。







「あるみ」





こちらに気づいて、優しい声で名前を呼ぶ彼。




風邪のせいか少し声がかすれていて、マスクもしている。





休日もあわせてたった3日会えなかっただけなのに、胸が熱い。




すごく、久しぶりな感じがしてしまう。







「千尋、くん……」




「うん」








マスクの上からだけど、千尋くんが優しく笑った気がした。