「まぁ、笑ってもらえたみたいで良かった。笑顔が一番だよな! ウンウン」
1人で頷いてる彼を見て、また少し笑ってしまう。
「あの、本当にありがとうございました」
「お礼なんていーってことよ! オレも手伝うから、残りの本片付けちまおうぜ」
「えっ、ぁ……はい」
助けてくれた上に、手伝ってくれるなんて……。
お人好しなのだろうか。
いや、きっと困ってる人をほっとけないんだろうな。
千尋くんのいない日に、図書室で出会った優しい人。
「あの、巻数……逆です」
「えっ!? うぉぉ、本当だ! 最初からやり直しかぁーっ!!」
でも、やっぱり彼は天然くんだ。

