私は笑顔から苦笑いになり、条件を提示した。


『掃除全般、洗濯、アイロン掛けと、ゴミ出し、肩もみと足裏マッサージでしょ、それから――』

『ストップ!ちょっと待て直美…。。』


まだあるのかよぉ…と不安げな顔をしてる彼に、最後の、とっておきの条件を提示した。


『毎日、手を繋いで寝る事』


彼は親指を立て、ニッコリ笑った。

任せとけ…か。

そんな彼の真似をして私も同じく親指を立て微笑み返した。



その後、2人で豚丼を作り、あ~だ、こ~だ言い合いながら作った豚丼は、苦酸っぱい、とても美味しいとは言えない出来栄えだったけど、愛情たっぷり、笑いたっぷりの入った優しい味がした。

そして夜も更け帰ろうとした彼に、一番大事な事を提示するのを忘れ、帰り際に声をかけた。


『家賃は入れてよね』